『ザ・キー:岸壁荘の盗難事件』は、同日に発生したために真相が不確かな3つの盗難事件について、机の上に散らばるカードを各々が早取りすることで、記された断片的な目撃証言や証拠品を集め、誰がいつ何を盗んでどのように逃げたか、の正しい組み合わせをできるだけ少ない手がかりで推理するゲームです。
◆物語
かの有名な岸壁荘で開催された展示会に3人の悪党が貴重な美術品を盗みに入りました。幸い、突然の嵐のおかげで容疑者を全員確保することができましたが、誰がいつどの美術品を盗み出してどうやって逃げようとしていたのかがわかりません。
机の上に散らばった目撃証言や、科捜研の現場検証により判明した数々の証拠を分析し、真相を解き明かしましょう。
◆ゲーム内容
「捜査開始!」の合図で、全員同時に、テーブルに散らばったたくさんのカードの中から、真相究明の手掛かりになりそうなものを探して1枚ずつ確保していきます。
「人物と盗難品」「盗難品と逃走手段」など、推理に役立ちそうな情報と関係性の傾向を確認した上で選びましょう。
選び取ったカードの表側には、「メガネの人物が盗んだのは2時」「王冠が盗まれたのはお面よりも前」などの断片的な情報が記されていて、自分の手元の推理ボードにマーカーで書き込んでいきます。それらを組み合わせることによって、真相究明の4要素〈犯人〉〈犯行時刻〉〈盗まれた物〉〈逃走手段〉の正しい組み合わせを導いていきます。
こうして、全員が「事件の真相を究明できたはず」と捜査を終えたら、解決ボードと鍵を使って答え合わせをし、正解だった人のうち、推理のために集めたカードの〈有益情報度合い〉の合計が一番少なかった、つまり、より少ない手掛かりで真相にたどりついた人が勝ちです。
◆何度でも楽しめる
事件を解決したらそれで終わりではありません。実は、鍵の色で示された9つの「異なる真相」が存在します。さらに、普通に1ゲームが終わったときの答えの要素の組み合わせなど、ほぼ覚えていられません。実質的に、鍵の色を変えながら、何度でもくり返して遊ぶことができるようになっているのです。
さらに、毎回、膨大にあるカードのうち、どのカードを集めてくるかの取捨選択は、推理状況に応じて異なります。捜査官としての〈評価得点〉を高めるため、どのカードを選ぶべきかの新鮮な悩ましさが楽しめます。
★おすすめポイント
全員一斉にカードを確保していくことで生まれる焦りの中、断片的な手掛かりによる論理的な推理を効率的に行なう難しさが楽しいゲームです。すでにそれまでの推理で判明している事実に関する、意味のない手掛かりカードを引いてしまったり、欲しいと思っていた傾向のカードがライバルにほとんど取られてしまって見つけられなかったり、推理系のゲームとしては異例の、全員でわいわいと楽しめる賑やかさも魅力です。
2020年のドイツのエキスパート(熟練者)ゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)を受賞した『ザ・クルー / Die Crew』の作者であるトーマス・シングさんの注目の新作です。
短時間でじっくり遊べる推理好きの小学校高学年から大人向けとしておすすめのゲームです。
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